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浜千鳥のご案内

仕込み49号 『火入れ』

さて、3月に絞られた49号ですが、そのままでは市販される清酒の状態ではありません。


絞ったあとでもまだ完全に澄んでおらず、お酒の風味を変えてしまう成分が含まれています。お酒を絞ってしばらく置いておくと、それらが沈殿して「オリ」となります。

このオリを取り除き、さらに濾過することで、清酒の品質が変わりにくくすることができます。




その後、この機械「プレートヒーター」を使って「火入れ」を行います。これは、殺菌とお酒の中に残っている酵素の働きを止めるのが目的です。1時間に4000ℓ、火入れは行われます。温度は65〜67℃です。





そしてこちらは火入れされたお酒が入ったタンクです。サーマルタンクというもので、タンクが二重構造になっており、外側に冷水が流れて常に中の酒を冷やしておくことができます。


そのまま、温度の低い状態で瓶に詰まるまで熟成させます。


これで49号は清酒としての工程をすべて終え、静かに商品になるのを待つことになります。49号を見守って下さった皆様には、長い間お付き合い頂きました。本当にありがとうございます。




浜千鳥@志田

仕込み49号 『粕はがし』



モロミを絞った後は、粕はがしをします。


平たくきれいに取れれば「板粕」となります。これは甘酒に良く使われます。形が悪くなったものは、「練り粕」用になります。タンクに仕込んで春から秋にかけて熟成させるもので、粕漬けに使われることが多いです。



ベテランの蔵人はすいすいと、簡単に剥がしているように見えるのですが、きれいに剥がすのは難しく、馴れない私がやるとほとんどが「練り粕」用になってしまいます。


こうして、49号は無駄なく全てが利用される事になります。




浜千鳥@志田

仕込み49号 モロミ22日目『絞り』

今日はとうとう、49号が絞られました。




タンクの呑(のみ)にホースをとりつけ、圧搾機までポンプで送ります。




モロミの中にはまだ溶けきらない米があるので、かき混ぜて詰らないように送っています。




こちらが圧搾機です。浜千鳥には機械の圧搾機と昔ながらの木製圧搾機『木槽(きぶね)』がありますが、49号は機械の方で絞ります。木槽を使うのは吟醸造りの酒の時になります。




絞られて出てきたお酒です。この搾りたての時は、さわやかでフレッシュな香りが強く出ています。



さて、こうして無事にお酒となった49号ですが、このシリーズはまだ終わりではありません。もう少しだけ続きます。

今度は「酒粕」を圧搾機から剥がす作業がありますので、そちらをご紹介しようと思います。



浜千鳥@志田

仕込み49号 モロミ20日目

最近すっかり春めいて、あたたかい風に当たるだけで体が溶けそうなほど気持ちいい天気です。

浜千鳥の敷地内に「ばっけ(ふきのとう)」が出てきたのを、蔵人の山菜採り名人・泉さんが見逃すはずもなく…



四個なので、天婦羅にするよりはフキ味噌だね、と蔵人の会話も春めいていました。




さて、仕込み49号は、そろそろお酒として絞られる頃になってきました。絞りに向けて品温も下げてきています。


アルコール度数は18%で、すでにアルコール発酵は終盤です。このくらいまでアルコールが出てくると、酵母が自分で出したアルコールに負けて弱ってしまうのです。

最盛期は「シュワシュワ」と勢いのよかった泡の方も、「ぷつ…ぷつ」という感じに落ち着いて、市販の微炭酸飲料くらいに炭酸を感じられます。


醪中の糖分も大分使われてしまってあまり甘くなく、清酒らしくなっていました。

まだ絞られていないモロミは残すところ5本です。49本もあった事が嘘のようです。清酒造りも残りわずか。最後まで気を抜かないようにしていきたいです。






浜千鳥@志田

仕込み49号 モロミ10日目



こちらはモロミ10日目、3月1日の様子です。留仕込みから7日目になります。
このあたりがモロミでの酵母が最高潮の時で、温度も一番高くなります。しばらくこうして発酵を進めていきます。




炭酸の音がシュワーッと聞こえ、ガスも沢山出ています。モロミ担当者によると、このガスの出方が旺盛なほど、酵母が活発になっているとのことです。


アルコールも8〜9%ほど出来ていて、すでに一般的なビールよりも高いです。




味の方も少しずつお酒らしくなってきました。


浜千鳥@志田

仕込み49号 モロミ4日目『留仕込み』

2月24日には三段仕込みの最後となる、「留(とめ)仕込み」が行われました。


蒸米と水、麹を投入し、これでタンク一杯にモロミが仕込まれました。




ここまで物量が増えてくると、櫂棒で混ぜるのはとても力が要ります。更に、時間とともに米が水分を吸って膨れるので、このあとの櫂入れはしばらく重労働です。




留仕込みから一日たった昨日の様子です。

大分ふやけていますが、米の塊が目立ちます。




二日たった今日にはかなり米が溶けてきて、櫂に当たる感触もやわらかくなりました。沸々と泡が上がってきており、炭酸ジュースを思わせる香りも出てきていました。


味のほうは、まだお酒らしくはなく、ほのかに甘いお米ジュースといった感じです。まだ形を保っている米は、若干硬さを残していました。


これから段々と品温を上げていき、発酵を進めていきます。



浜千鳥@志田

仕込み49号 モロミ3日目『仲仕込み』

今日は三段仕込み法の2段目『仲(なか)仕込み』です。

添え仕込みの時と同じく、水、麹、蒸米を仕込んで櫂棒で混ぜます。




これでタンクの半ばまで仕込まれました。


明日は三段目の『留(とめ)仕込み』となります。




そのための蒸米を大釜に準備している釜屋さんです。





浜千鳥@志田

仕込み49号 モロミ1〜2日目『添え仕込み〜踊り』

2月21日は49号の『添(そえ)仕込み』でした

日本酒の作り方の特徴に「三段仕込み法」があります。

一つの仕込を三段階に分けて仕込む方法で、これによって酵母の数を段階的に増やし、安定したモロミにするためです。一度に大量の米と水を入れてしまうと、酵母の割合が少なくなるので雑菌に侵されたり不安定な発酵になってしまいます。


その一段階目が『添仕込み』となります。
最初なので、酵母の増殖を図るために高めの温度で仕込みます。




水と麹を仕込みの約2時間前に投入しておきます。


  

そこに、蒸米を投入して櫂棒でまぜます。


タンクの上に架かっている金網でできた小さい籠のような物から蒸米が送り出されてきます。

これで添仕込み終了です。

その次の日は『踊り』といって、一日何もしないで置いておきます。ここで酵母を増殖させるためです。




このように、蒸米が水分を吸って膨らんでいます。



3日目は『仲(なか)仕込み』、4日目は『留(とめ)仕込み』と、三段仕込み法を行っていきます。




浜千鳥@志田

仕込み49号 酒母16日目『モト下げ』

長らく間をあけてしまいましたが、仕込み49号がやっと次の段階へ進む日が来ました。




2月16日から今日までの4日間、ずっと氷使って温度を低く保ち、酵母を寝かせておく「枯らし」という状態にしていたので、酵母の活動も控えめになりました。


今日は「モト下げ」をして酒母の次の段階「モロミ」へと移る作業でした。


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仕込み49号 酒母10〜11日目『湧付き休み〜モト分け』

昨日は「湧付き休み」でした。活発になった酵母が熱を自分で作りだすので、人間は保温して置いておくだけです。


  


こうして十分に酵母数は増えましたが、酵母が作りだすアルコール、酸によって、酵母自身が生きにくい環境になってしまっています。このまま温度を保つと酵母が弱って死んでしまいます。





すでに泡の数も減ってしまっています。

そこで今日行ったのが「モト分け」です。「モト」とは、酒母(しゅぼ)の別名です。





今まで巻いていたマットや蓋を外し、温度を下げて酵母を休ませてあげます。酒母室の室温は3〜4℃ですので、それだけで十分冷えていきます。


明日は「枯らし」です。



浜千鳥@志田